私は QuickOEM の美容業界専門家です。今回は中国発の老舗国産ブランドが逆転した事例、丸美(MARUBI)を解剖します。多くの人は丸美を「プルプル、目尻のシワをはじき飛ばす」のテレビCM時代のイメージで捉えていますが、データは嘘をつきません。丸美生物の2025年売上高は34.59億元で過去最高、主ブランド丸美は前年比23.94%増、アイケア売上は8.34億元・粗利率77.1%。その原動力はマーケティングの神秘でもなく、「リコンビナント デュアルコラーゲン2.0」という自社原料の堀です。

📦【ヒット解剖 Vol.44】丸美レッドペンアイクリーム(リコンビナント デュアルコラーゲン2.0)

🏆 ヒットのデータ(売上 / 成長 / 単品の地位)

まずハードデータ、その後にロジックです:

  • グループ売上:2025年の丸美生物の売上高は34.59億元、前年比+16.48%で上場以来の最高値。
  • 主ブランド:丸美ブランドの売上は25.47億元、前年比+23.94%で中核の成長エンジン。PL恋火(Lianhuo)の売上は9.06億元(ファンデーション領域)。
  • アイケア:売上8.34億元、前年比+21.04%、粗利率77.1%(+2.1pt)。アイクリームは丸美で最も粗利率が高く、認知が尖ったカテゴリーです。
  • メガヒットの地位レッドペンアイクリームは1年で48の細分化カテゴリーランキング1位を総なめにし、アイクリーム年間売れ筋を連続キープ。ゴールドニードル スーパーマスク(リコンビナントコラーゲン2.0)は発売直後にDouyinの塗るマスクランキング1位に。
  • チャネル構成:オンライン売上30.59億元、比率88.56%、前年比+20.42%、うち自社ライブ配信は+95%。

重要なシグナル:丸美の2025年の成長は「新商品数を積んだ結果」ではなく、「ひとつの原料 + ひとつのアイクリームメガヒット」への集中爆発です。これが今回解剖する核心です。

専門家の視点(データ分析専門家):丸美の決算には一つの対比が隠れています。親会社株主帰属純利益は2.47億元で前年比27.6%減(販売費率59.6%と高止まり)ですが、売上・粗利率・アイケア比率はすべて上昇しています。つまり「高投資でブランド認知を買う」戦略で短期利益には圧力がかかる一方、長期的にはアイクリームという高粗利・高リピートの確実なカテゴリーに賭けているのです。OEM視点では、アイクリームこそ「処方の参入障壁を築け、粗利余力が大きい」優良領域です。

🎯 ターゲット層 + 課題へのマッチ

  • ターゲット:25-45歳のエイジング肌・初期エイジング肌で、目元に小ジワ・乾燥ジワ・クマのある都市部の働く女性、とくに「夜ふかし勢」が主役。
  • 核心の課題:目元の皮膚は顔で最も薄く(約0.3-0.5mm)バリアが弱く、老け見えしやすい「年齢が出る最初の顔」です。
  • 認知の切り口:「アイケア」を「シワ改善」という大きく曖昧な概念から、体感でき検証しやすい目元のシワケアという狭い場面に絞り、「リコンビナントコラーゲン」という研究ストーリーのある新原料で裏打ちしました。

🔬 成分・処方の読み解き(リコンビナント デュアルコラーゲン2.0とは何か)

丸美の技術基盤は「リコンビナント デュアルコラーゲン」、すなわちⅢ型リコンビナントコラーゲンともう一種のリコンビナント機能性タンパク質を同時に配合し、肌のコラーゲンネットワークの二重構造を模して「ハリ + ケア」の二経路を狙うものです。この技術は2026年にジュネーブ国際発明展金賞を受賞し、丸美はリコンビナント デュアルコラーゲンで同賞を獲った唯一の中国国産ブランドです。

  • 注目成分:リコンビナント デュアルコラーゲン2.0(Ⅲ型コラーゲン中心)、プロキシレン、ナイアシンアミド、ヒアルロン酸ナトリウム、ペプチド(アセチルヘキサペプチド-8系)。
  • エビデンス等級:リコンビナントコラーゲンの「ハリ・うるおいケア」にはヒト研究の裏付け(B級)があり、近年の中国国産原料では珍しく「研究ストーリーが製品に落とし込まれた」事例です。ただし「シワ改善」をうたうには効能評価試験が必要です(日本の薬機法では医薬部外品の承認・効能評価が該当。普通化粧品は「乾燥による小ジワを目立たなくする」等の表現範囲に留まります)。
  • 処方ロジック:アイクリーム = 「リコンビナントコラーゲン(ハリ・ケア) + ヒアルロン酸ナトリウム(即時的なうるおい・保湿) + ペプチド(表情ジワのケア)」の三層構造で、私が常々お伝えする「効能層 + 保湿層 + 安全層」の枠組みに合致します。
  • 原価試算:リコンビナントコラーゲンの原料単価は一般のペプチドより高いですが、アイクリームは小売価格帯が高く(100元級)、粗利で十分に回収できます。OEM側ではアイクリーム1本の中身原価を数十元台に収められ、粗利を確保できます。

📣 マーケティング戦略の読み解き(種まき導線 / トピック語)

  1. メガヒット戦略:ロングテールSKUを削り、レッドペンアイクリーム + ゴールドニードルシリーズに集中し、予算と流量を「語り直せる」ひとつの商品名に集約しました。
  2. 棚 + コンテンツの二輪:Tmallでは精密なメガヒット運営(細分化ランキング1位を獲得)、Douyinでは「インフルエンサー配信での拡散 + 自社配信での転換」で公域の流量を自社配信の伸びに変えました(自社配信+95%)。
  3. チャネル別の商品設計:オフライン専用の「コラーゲンハリ アイクリーム」「エネルギーアイオイル」などを用意し、オンラインとオフラインを完全に分離してチャネル価格を守りました(史上最強の「横流し防止・価格統制令」とセット)。
  4. トピック語:「リコンビナントコラーゲン」「アイクリーム第一株」「ジュネーブ国際発明展金賞」「目尻のシワをはじき飛ばす」——研究の裏付けを、消費者が理解できる種まき言語に翻訳しました。

💡 QuickOEM が再現できる要素

  1. ひとつの自社原料に賭ける:リコンビナントタンパク質を13種も自社開発する必要はありませんが、ブランド主は研究ストーリーのある中核原料を1-2個(リコンビナントコラーゲン、環状ペプチド、プロキシレンなど)選び、「成分 = ブランド」の強い結びつきを作るべきです。
  2. アイクリームは高粗利の確実な領域:粗利率77%のカテゴリーで、OEMの最低ロットも優しいです(アイクリーム/アイマスク MOQ 500-1000本)。新興ブランドが小ロットで参入するのに向いています。
  3. メガヒット > 全カテゴリー展開:リソースを「語り直せる」単品名(例:「〇〇ペン アイクリーム」)に集中するほうが、20SKUを並べるより認知とランキング勢を作りやすいです。
  4. チャネル別商品で価格を守る:オンラインのヒット品 + オフライン専用品を分け、横流しを防ぐ価格統制は、新興ブランドより老舗国産ブランドこそ学ぶ価値のあるチャネル規律です。

⚠️ リスク提示

  1. 「即効シワ消し」はレッドフラッグ:目元のシワケアはゆっくり進む変数です。「7日でシワが消える」「即効ボリューム」をうたう製品は警戒を。リコンビナントコラーゲンの実効は数週間の継続使用で現れます。
  2. リコンビナントコラーゲン ≠ ヒトのコラーゲン:「バイオミメティック」であって「同一」ではありません。「コラーゲンを補う」という直球の表現に惑わされないこと。効能表現は日本の薬機法・効能評価の範囲内で行う必要があります。
  3. 高粗利 ≠ 高純利益:丸美の純利益減は「流量投資で認知を買う」ことの両刃性を示します。新興ブランドは闇雲に流量を焚かず、費用対効果(CPA/LTV)を計算してから量を増やしてください。

📊 QuickOEM アイクリーム OEM 落とし込み参考

項目参考値
最低ロット MOQ500-1000本
サンプル期間7-15日
量産期間30-45日
法対応化粧品届出(薬機法/PMD Act)、医薬部外品の場合は承認
容器の提案真空ポンプ/チューブ(アイクリームは遮光・汚染防止が必要)
工場確認ISO 22716/GMPC + 品質検査 + 安全性評価 + 品質取決め書

📌 まとめ

丸美の逆転は、本質的に「自社リコンビナント デュアルコラーゲン原料 + アイクリームメガヒット + チャネル別商品設計」の三重奏です。成分競争が激しいビューティーのレッドオーシャンで、研究ストーリーを明確に語れる原料ひとつと、高粗利の確実なカテゴリーひとつがあれば、老舗国産ブランドの第二の成長曲線を支えられることを証明しました。

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