この記事の要点 · 2026-09-27
- 日本のドラッグストア・バラエティショップでは、売り場は商品数ではなく可処分棚(面)で配分されるという仕組みが一般的です。
- 自有品牌は、この可処分棚を自社で賄うための手段になりやすく、既存ベンダーへの掲載料の代替として扱われる場合があります。
- 日本のドラッグストア系自社ブランドの構成比は、一般論として1桁%台と言われる一方、欧州の薬局チャネルではより高くなる傾向があります。
- 販売側は化粧品製造販売業許可と化粧品製造販売責任者の選任・届出を備え、海外委託なら外国製造業者についての届出も必要です。
- 表示は使用期限(品質保持期限)をYYYY.MM形式で行い、化粧品と医薬部外品で効能効果の範囲が変わります。
- 最小ロットは化粧水・洗浄料で500〜1.000個、エイジングケアで2.000〜4.000個など、カテゴリで下限が大きく異なります。
背景:可処分棚という、目に見えない通貨
日本のドラッグストアやバラエティショップの店舗内では、化粧品の売り場は商品点数ではなく、可処分棚(売り場面積の配分)で決まるという仕組みが一般的です。ここで言う可処分棚は、特定の企業や店舗の内部資料ではなく、業界で共有されている考え方です。
だからこそ、自社ブランドは価格だけで議論されません。棚を自社で抱える手段として、プライベートブランドが位置づけられるケースが増えています。実名の店舗名や数値は伏せています。
制約:自有品牌を始めた瞬間に変わる4つの前提
欧州の H&B チャネルでは、薬局の自有品牌が数割に達すると言われることがあります。一方で日本では、ドラッグストアの自社ブランドの構成比は一般論として1桁%台にとどまると言われ、アプローチの順序も変わってきます。
前提条件として押さえておきたいのは、自有品牌といっても日本では化粧品と同じ規制の下に置かれるという点です。販売側が化粧品製造販売業許可を持ち、化粧品製造販売責任者を選任・届出する必要があります。
- 可処分棚の確保が第一步であり、価格交渉より先に店舗側の要件を確認する
- 化粧品製造販売業許可と化粧品製造販売責任者の選任・届出を、販売側が自ら備える
- 海外工場に委託するなら、外国製造業者についての届出を日本側が提出する
- 表示は使用期限(品質保持期限)をYYYY.MM形式で行い、化粧品・医薬部外品で効能効果の範囲が異なる
做法:棚確保から発売までの4ステップ
実際に進める順序は、棚の確保、商品企画、届出と表示、そして初回ロットの4段階です。ここで効くのは、カテゴリごとに必要な最小ロットが違うという事実を、企画の時点で前提知識として置くことです。
次のステップを順番に踏むと、初回の在庫回転と表示確認の負担を同時に抑えられます。
- 店舗側に可処分棚の枠を確認し、割けられる面とカテゴリ範囲を取り決める
- 化粧水・洗浄料などロットを抑えやすいカテゴリから企画し、MOQ 500〜1.000個を狙う
- 化粧品製造販売業許可・外国製造業者届出・表示仕様を固め、使用前期限の根拠を記録する
- エイジングケア(2.000〜4.000個)など大量ロットの品目は次の段階に回す
結果:自社ブランドが置かれる位置と、起きやすい偏差
結果として、自社ブランドは価格帯の下寄りに置かれやすいという傾向が出ます。棚を確保したうえで、価格で選ばれやすい位置づけになるためです。このとき、既存ベンダーとの効能効果の重複は避けたい点です。
もうひとつの偏差は在庫です。店舗単位で回転が速い品目ほど、追加発注のロットが最小ロットを超えて積み上がりやすくなります。
- 化粧水・洗浄料:500〜1.000個。容器の最小ロットが律速になりやすい
- エイジングケア:2.000〜4.000個。安定性試験の時間が上乗せされる
- ボディケア:1.000〜2.500個。内容量が大きいほど本数に換算しやすい
- シートマスク:5.000〜10.000個。個包装と充填工程がネックになる
真似できる3つの判断:棚とロットを同時に設計する
可処分棚を前提にする以上、ロットの設計と棚の設計は切り離せません。どの面を確保したうえで、何個の在庫を持つのかを一緒に決めるのが現実的です。
表示まわりも同様で、容器の設計段階で使用期限(品質保持期限)の書体と場所を確保しておくと、後からの変更対応が容易になります。
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の取引条件や表示の適法性は、店舗側の取り決めと化粧品製造販売責任者の確認を前提としてください。
棚を取ってから商品を作るのでは遅い。商品企画の時点で、棚の面とロットを一緒に描く。
Frequently Asked Questions
自社ブランドの企画を、棚の前提から支援します
カテゴリ別の最小ロットと表示要件に沿って、ドラッグストア向けの初回ロット計画をご提案します。本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。
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