この記事の要点 · 2026-09-27
- 日本で化粧品を販売するには、都道府県知事の化粧品製造販売業許可と、化粧品製造販売責任者の選任・届出が必須です。工場の免許ではありません。
- 最小ロットはカテゴリで桁が違い、白ラベルで300〜2.000個、処方由来で500〜5.000個、フルカスタムで5.000〜20.000個以上が目安です。
- エイジングケアは2.000〜4.000個、シートマスクは5.000〜10.000個、日焼け止めは3.000〜5.000個と、同じ「化粧品」でも大量になります。
- 日本の表示では使用期限(品質保持期限)をYYYY.MM形式で記載します。開封後の使用期限(PAO)は法的義務ではありませんが、自主表示が広がっています。
- 海外工場で製造した化粧品を日本で販売する場合は、化粧品製造販売業者が外国製造業者についての届出を提出します。
- 最小ロットを重量(kg)で見積もるサプライヤーもあり、50kgなら50mlの化粧水で1.000本、200mlのボディローションで250本になります。
背景:3人チームが最初の9か月でつまずいた3つの壁
đây このケースで紹介するのは、3人で運営する日本のインディーブランドです。企画と原料仕入れ、SNS発信をそれぞれ1人が担当し、初期予算は1回の検証ロットに合わせて€7.000程度から始めました。実名は伏せていますが、構成は「3人で始めたインディーブランド」として一般的な最小規模です。
彼らが最初につまずいたのは、ロットの桁でした。1商品あたりに5.000個から見積もられ、初期予算の半分が在庫として消える計算です。2つ目の壁は日本の許可の存在で、中国のOEM工場に発注するだけでは販売に至りません。3つ目は表示で、使用期限の書き方ひとつでお問い合わせの数が変わると言われています。
制約:日本で化粧品を販売する前に確定させる5つの前提
日本では化粧品が医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)の枠組みで管理されています。販売を行う側が化粧品製造販売業許可(都道府県知事の許可)を持ち、併せて化粧品製造販売責任者を選任して厚生労働省に届出る必要があります。これは製造を委託する先の問題ではなく、販売する側が自ら負う義務です。
さらに、海外工場で製造された化粧品を日本で販売する場合は、外国製造業者についての届出が必須です。届出人は化粧品製造販売業者、すなわち日本側の仕入れ先になり、海外工場の名称・所在地・製造内容を日本の窓口へ提出します。出荷前に完了させておくと、通関と販売開始のズレを防げます。
- 化粧品と医薬部外品では許可の範囲が分かれるため、最初に「どこまで効かせる商品か」を線引きする
- 化粧品製造販売責任者は厚生労働省への届出対象で、選任には実務経験の要件がある
- 外国製造業者届出は販売開始前に対応しておくと、出荷遅延のリスクを抑えられる
- 表示の使用期限(品質保持期限)はYYYY.MM形式。開封後の使用期限は法的義務ではないが、自主表示が主流になりつつある
- 効能効果は化粧品・医薬部外品・医药品で表示できる範囲が異なり、効き方を先に決める必要がある
做法:ロットを3段階に分けて資金を守る
彼らが取った方針は、1商品に全資金を投げない三段構えです。最初の段階では検証のみ、次の段階で初の本販売、最後の段階は次の年度に回します。ここで効いているのは、化粧品OEMの最小ロットが段階によって数倍違うという事実です。
見積りを読むときは、必ず「kg」で決まっているか「本」で決まっているかを確認します。韓国や中国のサプライヤーには最小ロットを重量(kg)で設定する会社があり、同じ50kgでも50mlの化粧水なら1.000本、200mlのボディローションなら250本になります。本数に直してから比較しないと、比較そのものが意味を失います。
- 白ラベル(既成品の処方)で120〜300個の試験販売。検証コストを最も抑えられる段階
- 処方をアレンジした半カスタムで500〜2.000個。使用期限の設定根拠もここで固める
- フルカスタムは5.000個以上を次の年度に回し、初年度の在庫には含めない
- 最小ロットを重量(kg)で説明する見積りは、商品ごとの本数に変換してから比較する
結果:24商品に到達するまでの内訳
1年目の終わりには、8商品が並びました。内訳は化粧水と洗浄料が中心で、ここだけロットを抑えられました。対して、手を出した瞬間に在庫リスクが跳ね上がるカテゴリもはっきりしています。24商品に到達したのは2年目ですが、そこで初めて主力のエイジングケアを本格展開しています。
結果として、初年度の在庫回転は想定より速く、返品も少なかったと言います。理由は単純で、売れるかどうかを未知の在庫を抱える前に確かめる順番にしたからです。ロットを抑えられるカテゴリから始めることは、日本の化粧品OEMでは最も再現性の高い順序です。
- 化粧水・洗浄料:500〜1.000個。容器とパッケージの最小ロットが律速になる
- エイジングケア:2.000〜4.000個。処方開発と安定性試験の時間が上乗せされる
- シートマスク:5.000〜10.000個。個包装の最小数と充填工程の手間がネックになる
- 日焼け止め:3.000〜5.000個。SPF試験費用がロットとは別に発生する
真似できる5つの行動:同じ順番で進めれば失敗しにくい
このケースから一般化できる行動は5つです。順番を守ることが、低ロットでの立ち上げを成立させる最大の要因になります。特に、販売側の許可と外国製造業者届出を後回しにしないことは、日本での販売計画において最も費用対効果の高い準備と言えます。
最後に補足しておくと、低ロットの試験販売で本当に大切なのは商品の完成度ではなく、お客様の反応をどれだけ早く取得できるかという点です。ここで得られた声は、次のロットの仕様書にそのまま反映されます。
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。具体的な表示や許可用件については、化粧品製造販売業者としての判断と、化粧品製造販売責任者による確認を前提としてください。
最初のロットで完璧を狙わないこと。6か月後に返すべきは、在庫ではなくお客様の声です。
