主要ポイント · 2026-09-27
- 米国では化粧品の施設登録は2年ごとに更新が必要で、初回の登録期限は2026年7月1日とされています。
- 製品は上市後120日以内にFDAへの製品列名(Product Listing)が求められます。
- 重篤な不良事象は、事業者が知った日から15営業日以内にFDAへ報告します。
- 化粧品安全報告書(CPSR)の作成と、ラベルの表示要件への適合が処方ごとに必要です。ISO 22716(化粧品GMP)は法的な義務ではありませんが、処方と製造の客観的な証拠として重視されます。
- ISO 22716(化粧品GMP)は2年ごとの更新が目安となる自主基準で、監査対応の証拠として機能します。
- 責任者(Responsible Person)は輸入する米国の事業者が務め、施設登録は2年ごとの更新となるため、工場の登録番号の確認は自社の責任になります。
- 日本に輸入化粧品として扱う場合は、化粧品・医薬部外品・医薬品の3区分ごとに義務が異なり、化粧品製造販売業許可者が外国製造業者届出を提出し、品目ごとに化粧品等製造販売届が必要です。
MoCRAが変えた米国の化粧品規制
米国では、化粧品の安全性と表示に関する枠組みが2010年代後半に大きく見直され、工場やブランドに登録や届出の義務が求められる制度へ移行しました。中国の工場に化粧品を代工してもらう場合も、手続きの主体は米国側のブランド事業者です。
重要なのは、制度の目的が「誰がいつ作ったかを追えるようにする」ことにあるという点です。そのため工場の設備や許可の有効期限、ロット単位の記録、そして表示の整合性が、すべてブランド側のチェック項目になります。
4つの期限:施設登録・製品列名・不良事象・表示
実務上まず押さえるべきは、4つの期限です。いずれも記載漏れや期限超過が指摘につながるため、発注スケジュールの前期に組み込んでおく必要があります。
中国の工場に製造を依頼する場合は、これらの手続きが工場ではなく自社側で完結するという前提で計画を立てましょう。
- 化粧品施設登録:2年ごとの更新。初回は2026年7月1日までに登録する必要があるとされます
- 製品列名:上市後120日以内にFDAへ製品情報を届け出る
- 重篤な不良事象:知った日から15営業日以内にFDAへ報告する
- 化粧品安全報告書(CPSR):処方ごとに安全性を評価した報告書を備える
- 表示要件:成分表示と注意事項など、ラベルの要素を満たす
中国の工場に頼むときに確認すべきこと
中国のOEM工場は、化粧品の製造過程を管理する仕組みを持っている場合がほとんどです。ただし、米国の制度に対する理解の深さは工場ごとに差があるため、書面で確認する姿勢が重要になります。
次の項目は、初回の取引前に必ず確認しておきたい点です。現地監査が難しい場合は、試験成績書と許可証の写しを取り付けてもらう方法が現実的です。
- 化粧品の生産許可の有効期限と対象範囲。工場の設備能力が想定と一致するかを確認する
- FDAへの施設登録番号が有効か、更新は工場側で行われているかを書面で確認する
- OTC医薬品として登録済みの施設なら、同一の登録番号を流用できる可能性があるため範囲を確認する
- ロット単位の品質記録とトレーサビリティが残っているか。監査対応の記録を実地で確認する
- 表示ラベルと処方の整合、そして化粧品安全報告書の作成体制を確認する
同じ中国製でも、輸出先で義務が変わる
中国の工場が製造した化粧品でも、輸出先の制度は大きく異なります。EUでは化粧品規則に沿った安全評価とResponsible Personの指定が求められ、豪州では治療GoodsとしてTGAへの列名が必要になる場合があります。
そして日本に輸入する場合は、薬機法にもとづき化粧品製造販売業許可を持つ者が外国製造業者届出を提出し、品目ごとに化粧品等製造販売届を行います。米国の施設登録と製品列名は、日本の制度とは別物です。
- 日本:外国製造業者届出と、品目ごとの化粧品等製造販売届
- EU:化粧品規則に基づく安全評価と、EU内のResponsible Personの選任
- 豪州・ニュージーランド:治療GoodsとしてのTGAへの列名と添付文書
日本から見たMoCRA:薬機法との違い
日本に化粧品として輸入する場合、薬機法にもとづき、化粧品製造販売業許可を持つ者が外国製造業者届出を提出します。日本では厚生労働省への届出が前提であり、米国の製品列名や施設登録とは仕組みが異なります。
さらに、医薬部外品として効能をうたう製品は化粧品と区分が変わるため、表示できる効能の範囲が限られます。米国向けの表示文をそのまま日本語に訳すのではなく、区分ごとに表現を設計し直す必要があります。
工場が同じでも、届出の相手先が変われば、守るべきルールも変わる。ブランドの側が主体となって設計するほかありません。
Frequently Asked Questions
中国OEMの届出相談はQuickOEMへ
工場の許可範囲と米国の制度要件をすり合わせながら、必要書類とスケジュールの設計をご提案します。本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。
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