主要ポイント · 2026-09-27
- EUでは日焼け止めは化粧品に分類され、化粧品規則(EC)1223/2009の付属書VIで紫外線吸収剤・散乱剤の使用上限が定められています。
- EUではSPF値はISO 24444、UVA保護はISO 24442などの試験方法で測り、UVA保護レベルはSPF値の3分の1以上が求められます。
- 米国では日焼け止めはFDAが定めるOTC医薬品に該当し、21 CFR 352に沿った成分と表示の要件が适用されます。
- 豪州・ニュージーランドでは日焼け止めが治療Goodsに分類され、TGAが所管、製品はARTGに列名され、規格はAS/NZS 2604です。
- TGAは2026年3月26日からSPFラベルの改革に関する公開意見征集を開始しました。
- 豪州の消費者団体の調査では、検査した20製品のうち16製品が基準に適合しませんでした。
- 日焼け止めはSPF試験の費用が発生するため、OEMの最小ロットは通常3,000〜5,000本/SKUと、一般的な化粧品より大きくなります。
EU:化粧品としての位置づけとSPFの測り方
EUでは日焼け止め製品は化粧品に分類され、化粧品規則(EC)1223/2009の付属書VIで紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の使用量上限が定められています。日本国内でOEMを検討する際も、「日焼け止め」という一言の前提が市場によって違うことを理解しておく必要があります。
SPF値はin vivo法のISO 24444で、UVA保護はISO 24442などの試験で求めます。UVA保護レベルはSPF値の3分の1以上という関係が求められるため、SPF 30ならUVA保護はUVA 10以上という対応になります。処方を決める前に、どの試験方法で数値を出すのかを確認しておきましょう。
- 紫外線吸収剤と散乱剤の上限:規則(EC)1223/2009の付属書VIに定められた使用量制限
- SPFの測定:ISO 24444(in vivo)などの試験方法
- UVA保護:ISO 24442などで測り、SPF値の3分の1以上という関係を満たす
米国:FDAが定めるOTC医薬品の枠組み
米国では日焼け止めは化粧品ではなく、FDAが定めるOTC医薬品に該当します。21 CFR 352に定められた効能・成分・表示の要件を満たす必要があり、広義スペクトラムの表示とSPF値の上限についてもラベルごとの制約があります。
そのため、中国の工場に米国向けの日焼け止めを代工させる場合、日本向けの仕様とは成分表も表示文も大きく変わります。同じ処方を「日焼け止め」として輸出するのではなく、市場ごとの要件を確認したうえで別々に設計する進め方が現実的です。
豪州・ニュージーランド:TGAによる治療Goodsの仕組み
豪州・ニュージーランドでは日焼け止めが治療Goodsに分類され、豪州のTGAが所管します。製品はARTGに列名され、AUST Lの添付文書が必要となる場合があります。規格はAS/NZS 2604で定められています。
TGAは2026年3月26日からSPFラベルの改革に関する公開意見征集を始めており、体外法のISO 23675の採用、ラベル表示の選択肢、試験機関の認定などが論点になっています。豪州の消費者団体の調査では、検査した20製品のうち16製品が基準に適合しないという結果も報告されました。
日本:薬機法上の区分と表示の注意点
日本では日焼け止めは薬機法上の化粧品または医薬部外品に区分されます。化粧品として製造販売するには、化粧品製造販売業許可を持つ事業者であることと、化粧品製造販売責任者の選任が必要です。紫外線カットを強く訴求する処方は医薬部外品に該当しうるため、効能表現は慎重に設計します。
表示は化粧品表示基準に従い、販売名・成分・使用上の注意・製造番号などを記載します。開封後の使用期限(PAO)の表記はEUのように義務ではありませんが、品質保持期限である使用期限はYYYY.MM形式で表示します。
- 区分:化粧品または医薬部外品。強い紫外線カットの訴求は医薬部外品になりうる
- 体制:化粧品製造販売業許可と化粧品製造販売責任者の選任
- 表示:化粧品表示基準に従い、販売名・成分・使用上の注意・製造番号を記載
OEM発注前に確認すべき実務チェック
日焼け止めはSPF試験などの費用が発生するため、最小ロットが通常の化粧品より大きくなります。カテゴリ別の相場を把握したうえで、発注計画を立てましょう。
また、日本国内で化粧品製造販売業許可を持たずにOEMを進める場合は、製造販売責任者の選任と届出の流れを先に確認しておく必要があります。以下の観点を、見積もり依頼の時点で整理しておくと交渉が進みやすくなります。
- SPF・UVAの試験を自社で実施するか、試験機関に委託するか。費用と期間を見積もる
- 輸出先ごとに処方と表示を分けるか。日本・EU・米国・豪州で成分と効能表現を切り分ける
- 既成処方を使うか、客製処方にするか。最小ロットとリードタイムが変わる
- 包材の選定。日焼け止めは容器とラベルの相性が品質と表示に直結する
日本で「日焼け止め」を出すまでの流れ
OEMで日焼け止めを開発し、日本で製造販売するまでの一般的な流れは、次の順序で進めると混乱が少ないです。リードタイムは処方の有無で大きく変わります。
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。具体的な届出や表示の最終判断は、化粧品製造販売責任者または専門の行政書士・弁護士に確認してください。
- 化粧品製造販売業許可を持つ事業者を選定し、化粧品製造販売責任者が選任されているかを確認する
- SPF試験とUVカットの測定を実施し、数値と試験成績書を確定する
- 処方・包材・表示を確定させ、化粧品表示基準に沿って販売名と成分名を決める
- 製造ロットを発注し、品質試験の成績書を添えて出荷する
- 保管方法と開封後の使い方を案内する表示をあわせて設計する
国が変われば、日焼け止めの定義も、測り方も、書き方も変わる。ブランドが最初に決めるべきは、どの市場を主戦場にするかということである。
Frequently Asked Questions
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市場ごとの規制と試験計画に合わせて、最小ロットとリードタイムの見積もりをご案内します。本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。
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